ドクター解説「レーザー脱毛の仕組み」ちゃんと毛がなくなるのは医療レーザー脱毛

女性にとってすごく気になる脱毛の施術。
患者さんのお話を伺っても、「脱毛の仕組み」や「なぜ医療レーザー脱毛がエステの光脱毛より抜けやすいのか？」などをご存知ない方が多いようです。
それら、脱毛に関する基本的なお話を医師の立場から解説してみました。

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レーザー脱毛＝レーザーのパワーで毛根を破壊

■毛根が毛を作ります。
抜いても抜いても毛が生えてくるのは毛根が毛を作り続けるからです。
レーザー脱毛はその毛根の組織を破壊することで毛を生えなくします。

■メラニンは黒い色素です。
毛が黒いのはメラニンが大量に含まれるからです。
下の図のようにレーザーを光に当てると、皮膚を素通りして毛根のメラニンでレーザーが吸収されます。

すると、レーザーのエネルギーが毛根の温度を急に上げ、毛根の組織を熱で破壊します。
毛根が破壊されると、毛が生えてこなくなります。
これがレーザー脱毛です。

レーザー脱毛に使うレーザーの種類

少し難しい話になりますが、光には波長というのがあります。
波長が光の性質を決めます。
光は普通、いろんな波長の光が混ざってできているのですが、
レーザーは光からなる人工的に作られた単一波長の特殊な光です。

レーザー脱毛の種類

・アレキサンドライトレーザー（波長＝755ナノメートル）
・ダイオードレーザー（波長＝810ナノメートル）
・ヤグレーザー（波長＝1064+ナノメートル）
などを使います。

これくらいの波長のレーザーは
・毛根のメラニンに吸収されやすい
・毛根の深さまで届く
という性質を持っています。
レーザーは波長が長いほど皮膚の奥にまで届きます。
波長が小さすぎると、皮膚の奥まで届きにくいので、表皮で吸収されてしまい、表皮をヤケドさせてしまいます。
そういう意味でこれらのレーザーの波長がレーザー脱毛に最適です。

■アレキサンドライトレーザーとダイオードレーザーについて

・体のほとんどの部分で使えます。
・この二つのレーザーは波長も近いのでそんなに大きな違いはありません。

■ヤグレーザーについて

・波長が長めなので　→皮膚の奥まで届きやすい＝毛根が深い場合に最適
→皮膚の表面で吸収されにくい＝色味が濃い肌の方（浅黒い肌の方など）に最適
・男性のヒゲの脱毛や、IラインやOラインのように色素が強い皮膚の場合などにも使います。

エステの光脱毛は効かないのか？　医療レーザー脱毛との違い

■レーザー脱毛の場合、部位にもよりますが、４～５回でほぼ満足する脱毛効果が得られます。
エステの脱毛は10～15回通った上で、それでもやはり、「毛が減った」「生えにくくなった」という効果しか得られません。
この違いはなぜ起こるのでしょうか？

エステ脱毛に使う光は「IPL」というのですが、いろんな波長の光が混じっています。
そのため、表皮で吸収されやすい光があったりして、毛根の部分までパワーがちゃんと届きません。

そのため、十分に毛根を破壊することができません。

※そもそも、毛根を破壊するのは医療行為なので、厚労省の通達の中でもエステの脱毛に関して、毛根組織を破壊しない範囲での施術として認められていますので、レーザーを使って毛根をちゃんと破壊することは出来ないのです。

医療レーザー脱毛とエステの光脱毛との比較

①エステの光脱毛
・1回当たりの効果　弱い
・必要な回数　１０～１５回以上（足・腕など）
・最終的な脱毛効果　かなり弱い。
②医療レーザー脱毛
・1回当たりの効果　強い
・必要な回数　４～５回（足・腕など）
・最終的な脱毛効果　　ほとんど生えてこない

脱毛に必要な期間や回数は？

毛根には毛周期というのがあって、成長期が数か月続いた後、休止期に入り、数か月は毛を作りません。
これを繰り返しています。
休止期の毛根には毛がありませんので、レーザーを当てても毛根を破壊することができません。
そのため、効果的に脱毛をするためには1か月半～2か月間隔で4～5回の施術をする必要があります。（毛周期の違いにより、部位によっては必要回数が増えることがあります。）

注：必要な施術の回数には個人差がありますので、目安で御説明させていただいている回数を書かせていただきました。